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コラム

Social Skill ~世界市民となるために~

2005年12月19日

私は、海外から帰国したとき成田空港からいつもリムジンバスを利用します。
或る時、手荷物を持って乗り込むと、別のターミナルからの乗客が二人席にきれいに一人ずつ座っていました。たまたまですが、若い女性ばかりで隣にはハンドバックのようなものが置いてあります。
そばに行っても誰もそれをどけてはくれません。"よろしいですか?"と尋ねてやっと座ることができましたが、私には、そのハンドバックは"ここには座らないで"と言うメッセージのようにも思えました。後から外国人が幾人か入ってきましたが、海外旅行で疲れたせいでしょうか、彼女達は全く気に留めていません。そんな場面を何回も見ました。
アメリカやカナダでは、このような時には"ここが空いていますよ"と必ずみんなが声をかけてくれます。困っている人に対して積極的に手を差し伸べるのです。
もうひとつは全く逆の嬉しい話です。最近の日本では、エレベーターに乗り降りするとき、ドアを押さえて先に通してくれる若者が増えたことです。それも"開"のボタンを押すだけではなく、扉が閉まらないように手でしっかりと止めてくれます。ひと頃前までは、全てが忙しく動く東京の真ん中で、そんな人には滅多に出会うことがありませんでした。
しかし、30年も前になりますが、私が初めてアメリカを訪問した時、ドアの前では人々がいつもそのようにしてくれました。彼らは後ろの人のためにも閉まらないように支えてくれました。それらは、ユートレックのホームステイ交流に参加した若者達が残す体験文の中にも、毎年感動したことのひとつとして必ず出てきます。
この日本での現象はつまり、留学などで海外に出る若者達が多くなって、その国の良い習慣を持ち帰ってくるようになったからでしょう。
まさしくユートレックの国際交流のテーマのひとつはそれです。若者達が"お互いの優れた考え方や習慣、社会のシステムなどを学び合い、それを自国でも生かす"ということです。そうするとこの私達の国や世界がより住みよいところへと変わります。
始めに挙げたふたつの例は、アメリカや他の国々では、Social Skill(社会性)といわれるもので、良き市民になるための最も大切な要件となっています。
ですから彼らは子供の頃から、家庭や学校、教会、4-Hクラブなどの地域の活動を通して、どのようにして他の人々や社会との関係を築きあげたらよいのかを学びます。
ユートレックの国際交流で旅立つ若者達は、その土地の住人となるホームステイやキャンプの生活で、それらも含めた多くのことに出会ってきます。
他の人々のことを思いやることができる優しさと、未来の開拓者として社会を前進させるリーダーシップを持つ人、つまり世界市民として"Mature"な(成熟した)人材が一人でも多く育っていくことが、私達の願いです。

ユートレック国際交流センター
代表 宮崎哲人

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